住居の心地よさと快適さの違いとは

住居の温熱環境を考えるとき、心地よさと快適さは異なります。心地よい暮らしは長く続きますが、快適な暮らしは長続きしません。たとえば暑い部屋から冷房の効いた部屋に入ったとき、感じるのは快適さです。しかししばらくその部屋にいると、汗が冷えて寒くなってきます。寒い部屋から暖かい部屋に入った場合も同様です。これに対して心地よい暮らしは暑くもなく寒くもなく、何も感じないで読書や仕事ができる状態です。強い気持ちよさを感じることはありませんが、不快になることもありません。人の体が持つ発熱機能と放熱機能のバランスがとれた状態です。住まいの心地よさを作るには建物のつくりや冷暖房設備だけでなく、住む人の行動や服装などの暮らし方に目を向ける必要があります。

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